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20世紀最大の物理学者「アインシュタイン」が、「人類最大の発明」「宇宙最大の力」と呼んだものをご存知でしょうか?
それは、ノーベルが発明したダイナマイトでも、電気の発見と電気を操る技術でも、彼自身の発見と論理による核などの原子力でもありません。
それは、「複利計算」という、非常に「単純」な「論理計算方法」です。
複利計算は、古代ローマにまで遡る、経済発展理論による「利子・利息」の概念なので、まったく新しいものでもありません。
現在の身近な例で例えると、年利10%の利息で、1万円を借りたとします。 そうすると、ひと月事に年利分の利子が「返済義務」として加算されます。返済をせずにほうっておくと、その利子が元本に加算されて、翌月には増額された元本に対する利子が加算されていきます。
これを「10年間」放置すると約「2万7千円」の返済義務になります。
本来、1万円の10%は千円なので、10年放置しても返済義務は2万円にしかならないとかんがえがちですが、複利計算は、利息に利息が積み重なっていき、
相乗的に増幅していくので、注意が必要です。
では、なぜ、そのような危険な複利計算が「経済発展」に必要かと言えば、
昔の通貨は、金や銀などの有限で高価な材料が利用されていたので、それでは「経済規模」の限界が特定の素材の物量に制限され、
人口増加や労働力などの産業エネルギー増加の価値に追いつかなくなるからです。
つまり、デフレ現象で、経済発展が遅れることになるからです。
そして、近代では、通貨には金や銀などの有限の高価な材料は使用しなくなり、物理的には価値のない「紙幣」や株券・債権・電子情報に変えて量産し、新たな産業を生み出し、産業経済を無限に成長させる勢いになっています。
物理学の常識を次々と覆した天才物理学者アインシュタインは、
当時の資本主義社会の急成長を目の当たりにして、
それを牽引する金融の力の象徴として「複利」を挙げたそうです。
彼は「複利を知る者は複利で利益を得、知らない者は複利の代償を払う」という名言を残したと言われています。
天才物理学者の目にも、複利はそれほど強力でした。
どのように機能するのでしょうか?
なぜそれほど強力なのでしょうか?
それは単に、時間の経過とともに、自然現象のように、利子は経済成長を支えるには必要であり、それは複利として積み重なり、時間は止めることができないからです。
銀行や経済学者、証券会社などの金融専門家は、
このような強力な実態の物理理論にも適応できる「金融経済のダイナミズム」を作り出し、現在では、デジタル情報に現物物資の売買交換権利を付与して経済を更に加速させています。
しかし、その急激な加速の副作用として、貧富の差は著しく広がり、産業構造が歪みを来たし、通貨価値は激しく変動しています。
そして、遅かれ早かれ、膨大に膨れ上がった通貨価値は、実態経済価値を大きく上回り、そのギャップが大きくなればなるほど、巨大で空虚なバブルのように膨れ上がり、何等かのキッカケで、最後は一瞬にして、跡形もなく崩壊します。
人類社会の経済史では、古来から、それを何度も繰り返しているのも事実です。
そのリセットとなる、バブル崩壊の規模が大きいほど、実態の物価の価値が高騰し、奪い合いが起き、経済力や発言力ではなく、武力による現物物資の争いに発展し即ち戦争にまで発展します。
この「原理原則」は、我々人類は、全員しっかりと認識しておかねばなりません。
誰しも、傷が傷を呼ぶ、不毛な奪い合いや戦争など望まないのですから。
また、複利計算は、経済学や数学上の作られた計算方法ではなく、
単に「自然現象」を数値化しただけとも言えます。
例えば、現在までの経済成長を支えてきた「石炭」や「石油」は、数百万年という長時間の間、重力の力によって、圧縮され、精製された化石燃料であり、
その熱エネルギーも、複利によって蓄積されてきた物質・物資であると言えます。
燃え尽きる事のない太陽も、その燃焼原理は「核融合反応」のエネルギー増幅によって保たれているとされています。
その核融合の理論は、極めて微細な原子核の内側に至るまでの「超」微細で、
「超」複雑で無限の仮説理論を元にして、
その再現方法を最先端科学で解析しようとしていますが、その実現には、現実的には絶対不可能としている科学者が大半のようです。
しかし、その核融合反応によるエネルギーの複利計算は確立しています。
これらの「実態の事実」から、アインシュタインは、「複利計算」を人類史上最大の発明であり、
「複利現象」を、全宇宙の最大の力と明言したと思われます。
彼は、常に、現実に目の前で起こっている事が、当時の科学で説明がされていない「不思議な現象」とされている事は、決して看過できず、その現象の原因の探究に膨大な仮説とそれを証明する解析計算とそれを示す実態現象を予測し、
それを正確に当てる事で、その論理の正しさを証明してきました。
彼は、その過程で、人の心理と、人の運命も予め決定されている、
などと言う事も明言したとされています。
その「心理」として、「人が最も恐れを感じる事」は、
「真実や現実を直視する事」であると暗示しています。
人間を含む全ての生き物は、時間と重力によって、その形も力も常に大きく変化していきます。また、物事の価値も文化も時間の経過で大きく変わっていきます。
若く、体力も気力も満ち溢れている時は、
経済成長論理と同じで、無意識にその力が永遠に続く事と勘違いし易く、
その中で、成功や失敗から多くを学んだ事を、移り変わる将来の繁栄へと向かう新たなステップに踏み出す事に使わず、
時間経過によって既に形骸化した価値感の中で、過去の実績を大きく見せようとする傾向があります。
つまり、気が付かぬうちに、少しづつ現実逃避していき、
歳を重ねて、現実と理想のギャップがあまりに大きくなりすぎた時は、
真実や現実を直視する事が最も怖くなります。
これは経済バブルが弾ける現象とまったく同じ原理が働くからです。
でも、複利計算を知る人であれば、それにより「多大なる得」をする人もいると言う事も明示されています。
それは、例えば、誰もが知る、きだいの実業家「スティーブ・ジョブス氏」は、その「てんけい」であると言えます。
彼が、多くの若い大学生等に語った「非常に有名なスピーチ」の中に、その答えを明確に語っています。
33年前から、鏡の中に映る自分自身に対し、
もし、今日死ぬとしたら、何かやり残した事はないか?
と毎日問い続けてきたと言っています。
彼の事を精神異常者で、わがままで、「非」社交的と批判する人もいますが、
彼は、そのようなネガティブな情報も含め、常に鏡に映る真実の自分の姿を見つめ、今の自分に何ができるのか? 何がしたいのか?
それを毎日真剣に追い求め、蓄積してきた結果として、
いちだいで世界最大の企業に成長させるまでの富を築いた事は紛れもない事実であり、同じような思考な人が、同様に、いちだいで大きな富を築いた事例は無数にあります。
ある生物学者によれば、生物の老いて死ぬ機能は、その種の存続と繁栄には絶対欠かせないポジティブな要素機能であると言っています。
それは間違いなく、生死に関わるリアルな経験から学んだ「生き抜く知恵と力」を次世代の子ども達に、次世代の新たな環境で、新たな豊かさを見出せるようにするのには最も効果的な伝達プロセスになっている事は、歴史的にも証明されています。
アインシュタインの偉業は、気の遠くなるような膨大な数の非常識な仮説を打ち立て、それを極めて複雑な数学理論を駆使して解析し、
行き着いた結果は、「eイコールM C 二乗」や「複利計算」のような極めてシンプルな公式や論理が、最も現実に直結して影響している事を証明している。
ただ、唯一彼がシンプルに説明できなかった事として、自然の摂理の複利計算によってエネルギーが増幅・増殖している事と、エネルギー保存の法則との矛盾を数式では明確に示せず、その矛盾を調整できる要素として、時間の経過速度は一定ではないと言う仮説を残してしまった。
それが故に、更に非現実的なタイムマシンや、光の速さを超える超光速などの何の現実的な根拠もない、安易な「現実逃避」の技術革新への「夢」を多くの科学者に与えてしまった事を、彼は悔いているかもしれない。
いや、多分、彼は未来へ、新たな課題を敢えて残し、相対的にはそれを可能にできる可能性を残したのかもしれない。